誰もがその猫の写真を見ると、写真は可愛いよねと言っていました。

実物以上によく撮れた写真の話
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実物以上によく撮れた写真の話

誰もがその猫の写真を見ると、写真は可愛いよねと言っていました

実物以上によく撮れた写真の話
● 42歳 女性
誰もがその猫の写真を見ると、写真は可愛いよねと言っていました。
その猫はトロロという名前で、種類はペルシャ、毛の色はミルクコーヒーのような明るい茶色でした。

トロロはオーソドックスなペルシャ猫で、顔は鼻がつぶれて、銅のような赤い色の大きな目はつりあがり、鼻と目が一直線と言ってもいい配置で、グチャっとした顔でした。
可愛いとはお世辞にも言えません。遠慮のない友達はトロロを見るなり、みたくない猫だねと言います。その言葉の意味が猫にも分かるのか、無愛想な上にも無愛想になり、可愛くない顔にさらに拍車をかけていたような気がします。

ところが、このコを写真に撮ると、なんとまあ愛らしい顔で写るのです。
子猫のような顔に写るのです。
つぶれた鼻は丸くまとまり、つりあがった目もまん丸で、目の色だって透明感のある銅色で素敵なのです。
ペルシャで毛が長いですから、まるでぬいぐるみのようでした。

私がこの猫を引き取ったときにはもう大人の猫でしたから、子猫の頃を知りません。きっと、可愛かったのだろうと思います。もしかしたら、この猫は、自分の子猫の頃の可愛らしさを私に見てほしくて、写真には可愛らしく写ってくれたのかと思ったりしました。
それにしても、あのつり上がった鬼のような目がどうしてあれほどに優しく、愛らしく写ったのか、未だに謎です。